㊐・タイヤチェーンは何でもOK?チェーン規制に対応する3種類と、使えない簡易型の違い!!
タイヤチェーンは何でもOK?チェーン規制に対応する3種類と、使えない簡易型の違い!!
「タイヤチェーン」なら何でもチェーン規制を通過できる?
冬の雪道を走行する際、スタッドレスタイヤとともに頼りになるのが**「タイヤチェーン」**です。
しかし、タイヤチェーンといっても、昔ながらの金属製だけでなく、ゴム製や布製など、さまざまな種類が販売されています。
さらに最近では、タイヤに結束バンドのようなものを巻き付ける簡易型や、スプレーするだけで滑りにくくなる商品まであります。
では、これらの商品は、雪道で実施される「チェーン規制」に対応できるのでしょうか?
結論から言えば、一般的にチェーン規制に対応できるタイヤチェーンは、大きく分けて3種類です。
① 金属製チェーン
② 非金属製チェーン(ゴム・ウレタンなど)
③ 布製チェーン(スノーソックス)
この3種類は国土交通省もタイヤチェーンの種類として紹介しています。
ただし、同じ種類であっても、すべての商品が無条件で認められるわけではありません。
今回は、それぞれのメリット・デメリットと、チェーン規制を通過するための条件、購入時の注意点について解説します。
そもそも「チェーン規制」とは?
冬の道路には、大きく分けて「冬用タイヤ規制」と「チェーン規制」があります。
この2つは似ているようで、実際には大きな違いがあります。
★冬用タイヤ規制
基本的には、全車輪にスタッドレスタイヤなどの適切な冬用タイヤを装着していれば通行できます。
また、規制内容に適合するタイヤチェーンを装着することでも通行できます。
★チェーン規制
こちらは、スタッドレスタイヤを装着していても、タイヤチェーンを装着しなければ通行できない規制です。
4WD(四輪駆動車)であっても例外ではありません。
つまり、「スタッドレスタイヤだから大丈夫」という考えは、チェーン規制では通用しないということです。
チェーン規制は、大雪による立ち往生などが発生する危険性の高い区間で実施されます。
なお、チェーンを装着すれば、どんな積雪状態でも必ず走行できるというわけではありません。
大雪によって通行止めになった場合には、チェーンを装着していても通行できません。
チェーン規制で認められる「タイヤチェーン」の条件
国土交通省が示している道路運送車両の保安基準では、タイヤチェーンについて、走行装置に確実に取り付けられ、安全な運行を確保できることが求められています。
つまり、重要なのは「金属製か布製か」という素材の違いだけではありません。
タイヤに確実に固定でき、安全に走行できる製品であることが大切なのです。
具体的には、次のような点を確認する必要があります。
- 自動車とタイヤのサイズに適合している
- 製品の説明書どおりに装着されている
- 走行中に外れたり、車体に接触したりしない
- 雪道で必要な滑り止め性能を備えている
- チェーン規制への対応がメーカーから明示されている
最後の「チェーン規制対応」という表示は、法律上すべての製品に義務付けられた共通認証ではありません。
しかし、購入する側にとっては重要な判断材料になります。
特に布製や簡易型の商品を選ぶ場合には、事前に確認しておきたいポイントです。
① 金属製タイヤチェーンのメリット・デメリット
昔から使用されている、最も一般的なタイヤチェーンです。
金属製の鎖やワイヤーなどで構成され、タイヤの外周に取り付けて使用します。
形状には「はしご型」や「亀甲型」などがあります。
メリット
① 雪道での高い駆動力
金属部分が雪や氷に食い込むことで、発進時や登坂時に高い駆動力を発揮します。
特に積雪の多い道路や急な坂道では、頼りになる存在です。
ただし、横滑りへの強さなどはチェーンの形状によって異なります。
② 比較的価格が安い
金属製チェーンは、他の種類と比較して安価な商品が多く、費用を抑えたい方に向いています。
③ コンパクトに収納できる
折りたたんで収納できる商品が多いため、車内に常備しておく場合にも便利です。
デメリット
① 走行時の振動や騒音が大きい
金属が路面に接触するため、振動や騒音が発生しやすく、乗り心地はあまりよくありません。
② 装着に手間がかかる場合がある
製品によっては取り付けに時間がかかります。
ただし、最近ではジャッキアップ不要で装着できる商品も販売されています。
③ 錆びや摩耗に注意が必要
使用後に水分や融雪剤が付着したまま放置すると、錆びが発生する可能性があります。
また、雪のない舗装路を走行すると、チェーンの摩耗や破損につながります。
金属製チェーンが向いている人
価格を抑えながら、積雪路での走行性能を重視したい人におすすめです。
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② 非金属製タイヤチェーン(ゴム・ウレタン製)
金属製に代わって普及しているのが、ゴムやウレタンなどを使用した非金属製チェーンです。
タイヤを覆うネット状の商品や、複数のブロックで滑り止め効果を発揮する商品などがあります。
メリット
① 振動や騒音が比較的少ない
金属製と比較して路面からの衝撃が少なく、乗り心地がよい傾向があります。
② 雪道での走行性能が高い
滑り止め部分に金属ピンなどを組み合わせた商品もあり、積雪路や凍結路での走行性能を確保しています。
③ 装着しやすい商品が多い
タイヤを動かさずに装着できる商品もあり、慣れれば短時間で取り付けられます。
デメリット
① 価格が比較的高い
一般的に金属製より高価な商品が多くなります。
② 収納スペースが必要
金属製のように小さく折りたためない製品も多く、収納ケースが大きくなりがちです。
③ 寒さによって装着しにくくなることがある
ゴムなどの素材は低温で硬くなる場合があり、雪の降る寒い場所では取り付けに苦労することもあります。
非金属製チェーンが向いている人
雪道を走行する機会が比較的多く、乗り心地や装着のしやすさを重視したい人におすすめです。
なお、非金属製チェーンには「JASAA認定品」があります。
これは実車走行試験などによって一定の性能が確認された製品です。
購入する際には、こうした認定の有無も参考になります。
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③ 布製タイヤチェーン(スノーソックス)
近年、特に注目されているのが「スノーソックス」と呼ばれる布製チェーンです。
特殊な繊維で作られたカバーをタイヤに被せるタイプで、見た目は大きな靴下のような形状をしています。
「オートソック」などの商品が知られています。
布製なので、金属製やゴム製と比較して頼りなく見えるかもしれません。
しかし、チェーン規制に対応する布製チェーンも、正式にタイヤチェーンとして使用できます。
メリット
① 装着が非常に簡単
基本的にはタイヤに被せるように取り付けるため、金属製などと比較して簡単に装着できます。
雪が降る寒い場所での作業時間を短縮できることは、大きなメリットです。
② 軽量で収納がコンパクト
布製なので軽く、車内のちょっとしたスペースに収納できます。
普段あまり雪が降らない地域でも、万が一の備えとして常備しやすい商品です。
③ 振動や騒音が少ない
金属製のような大きな振動や騒音が発生しにくく、比較的快適に走行できます。
デメリット
① 耐久性が低い
最大の弱点は耐久性です。
特に雪のないアスファルト路面を走行すると、布が摩耗して破れる可能性があります。
② 長距離走行には向かない
基本的には緊急時や短距離での使用に向いており、長距離を繰り返し走行する用途には適していません。
③ 製品によって規制への対応が異なる
布製であれば、どの商品でもチェーン規制を通過できるわけではありません。
JAFも、布製カバータイプについては規制に対応できない可能性があると注意を促しています。
そのため、購入時にはメーカーが「チェーン規制対応品」と明示している商品を選ぶことが重要です。
また、規制現場では係員の指示に従う必要があります。
スノーソックスが向いている人
普段は雪道を走らず、緊急時の備えとして車内に常備しておきたい人におすすめです。
特に、収納スペースが少ない車や、チェーンの装着に不安がある人にとって魅力的な選択肢です。
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3種類のタイヤチェーンを比較
★3種類のタイヤチェーン比較表★
※評価は一般的な傾向です。実際の性能は商品によって異なります。
インシュロック型などの「簡易型チェーン」はどうなの?
インターネット通販などでは、非常に安価な簡易型の滑り止め商品も販売されています。
例えば、結束バンド(インシュロック)のようなものをタイヤに巻き付けるタイプです。
数本のバンドをタイヤに取り付けるだけなので、簡単で便利そうに見えます。
しかし、こうした商品には注意が必要です。
簡易型がチェーン規制で認められない可能性がある理由
① タイヤへの固定が不十分な場合がある
結束バンドのような構造では、製品によっては走行中に緩んだり、外れたりする危険性があります。
② 滑り止め性能が十分とは限らない
タイヤの一部分だけを覆う構造の場合、一般的なタイヤチェーンと同等の性能があるとは限りません。
③ 安全性や規制への対応が確認できない商品がある
メーカーがチェーン規制への適合を明示していない商品では、規制区間を通行できると判断する根拠が不足しています。
ただし、ここで注意したいことがあります。
「簡易型だから絶対に通行できない」という全国共通のルールがあるわけではありません。
重要なのは、製品が安全に装着でき、必要な性能を備えているかどうかです。
そのため、インシュロック型などの簡易商品を、チェーン規制を通過するための唯一の装備として購入することはおすすめしません。
一方、タイヤに薬剤を吹き付ける「スプレー式滑り止め」は、国土交通省がチェーン規制では通行できないと明示しています。
滑り止め効果が期待できる商品であっても、タイヤチェーンの代わりになるとは限らないのです。
★使えるチェーンと使えないチェーンの比較★
チェーンは4本すべてのタイヤに装着する必要がある?
一般的な乗用車の場合、タイヤチェーンは駆動輪に装着することが基本です。
FF車(前輪駆動車)なら前輪2本、FR車(後輪駆動車)なら後輪2本に装着します。
4WD車については、車種によって指定される装着位置が異なるため、必ず車両の取扱説明書を確認してください。
なお、規制内容や車両によっては全輪への装着が必要な場合もあります。
また、タイヤサイズが合っていても、車体との隙間が少なく、チェーンを装着できない車種も存在します。
購入前にはタイヤサイズだけでなく、車両側の装着条件も確認しましょう。
チェーンを装着すれば高速道路でも普通に走れる?
タイヤチェーンは、装着すれば普段と同じように走行できるものではありません。
日本自動車タイヤ協会では、積雪・凍結路での走行速度について、金属製は30km/h以下、非金属製は50km/h以下とする使用基準を示しています。
ただし、実際には製品ごとの指定速度や道路の速度規制を優先する必要があります。
布製チェーンも、メーカーが指定する制限速度を守らなければなりません。
また、雪のない乾燥した道路をチェーン装着状態で走行すると、チェーンの摩耗や破損だけでなく、車両の損傷につながる可能性があります。
特にスノーソックスは乾燥路面で摩耗しやすいため、注意が必要です。
高速道路では長いトンネルなどでチェーンを取り外すよう案内される場合もあります。
チェーン規制が実施されているからといって、すべての道路状況で装着したまま走行してよいわけではありません。
道路管理者の案内に従い、安全なチェーン着脱場などで取り付け・取り外しを行いましょう。
結局、どのタイヤチェーンを選べばよい?
私としては、タイヤチェーンを選ぶ際には、使用する頻度と目的を考えることが重要だと思います。
例えば、雪道を頻繁に走行する人であれば、耐久性や走行性能を重視して金属製や非金属製を選ぶのがよいでしょう。
一方、年に数回しか雪道を走行しない人や、万が一のために車内へ常備しておきたい人には、スノーソックスも十分に魅力的な選択肢です。
ただし、いずれの場合も、チェーン規制への対応が確認できる製品を選ぶことが大前提です。
安いからという理由だけで、規制への適合が不明な簡易型商品を選ぶのは避けたいところです。
そして、どんなチェーンでも事前に一度は装着してみることをおすすめします。
雪の降る寒い場所で初めて説明書を読みながら装着するのは、想像以上に大変です。
まとめ/チェーン規制に対応した製品を選ぼう
タイヤチェーンは大きく分けて、金属製・非金属製・布製の3種類があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、使用する環境や頻度によって適した商品は異なります。
特に覚えておきたいのは、次の3点です。
- スノーソックスも、対応製品であればチェーン規制に使用できる
- インシュロック型などの簡易商品は、規制対応を確認できないものを当てにしない
- スタッドレスタイヤや4WD車でも、チェーン規制ではチェーンの装着が必要
タイヤチェーンは、単に規制を通過するための道具ではありません。
雪道での立ち往生や事故を防ぐための大切な安全装備です。
価格や取り付けやすさだけでなく、安全性とチェーン規制への対応を確認したうえで、自分の車に合った商品を選びたいものです。






