【2026年最新版】冬用タイヤ規制とチェーン規制の違い!スタッドレス・オールシーズンタイヤは通行できる!?

冬の道路で知っておきたい「タイヤ規制」の基本

冬になると、雪道でノーマルタイヤの車が立ち往生し、大規模な渋滞や通行止めを引き起こすニュースを見かけます。

特に高速道路では、たった1台のスタック(タイヤが空転するなどして動けなくなること)が原因で、何時間もの渋滞が発生することもあります。

そこで重要になるのが、**「冬用タイヤ規制」と「チェーン規制」**です。

ところが、この2つの規制は名前が似ているため、違いを正確に理解していない方も多いのではないでしょうか。

例えば、

  • スタッドレスタイヤなら、どんな雪道でも通行できる?
  • オールシーズンタイヤは冬用タイヤとして認められる?
  • ノーマルタイヤにチェーンを装着すれば高速道路を走れる?
  • 四輪駆動(4WD)ならチェーンは必要ない?

こうした疑問を、国土交通省・NEXCO・JAFなどの公開情報を参考に、できるだけ分かりやすく解説します。

結論から言えば、冬用タイヤ規制とチェーン規制は別物であり、必要な装備も異なります。

「冬用タイヤ規制」と「チェーン規制」の違い

まずは、この2つの規制を理解しましょう。

① 冬用タイヤ規制とは?

冬用タイヤ規制は、積雪や凍結などによって道路が滑りやすくなった場合に実施される規制です。

基本的には、次のどちらかの対策が必要になります。

・全車輪にスタッドレスタイヤなどの冬用タイヤを装着する

・指定された車輪に適切なタイヤチェーンを装着する

つまり、一般的な冬用タイヤ規制では、必ずしもスタッドレスタイヤが必要というわけではありません。

ノーマルタイヤでも、適切なチェーンを装着していれば通行できる場合があります。

ただし、道路や地域によって装着条件が異なるため、現地の規制内容を確認する必要があります。

また、四輪駆動車だからといって規制の対象外になるわけではありません。

② チェーン規制とは?

一方、チェーン規制は、より厳しい条件で実施される規制です。

2018年12月には、国土交通省によって「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」の規制標識が新設されました。

この規制では、スタッドレスタイヤを装着していても、チェーンを装着していなければ通行できません。

当然、四輪駆動車も同じです。

大雪によって立ち往生が発生しやすい峠道などで、チェーン装着車に限って通行を認める仕組みです。

ただし、大雪時にはチェーン規制ではなく、予防的な通行止めが実施される場合もあります。

【一覧表】タイヤの種類と規制時の通行可否

ここが今回の記事で最も重要な部分です。

一般的な乗用車を想定して、タイヤの種類と規制の関係を一覧表にしました。

【表の見方】

○:基本的に通行可能

△:路面状況・規制内容・装備条件による

×:その装備だけでは通行不可

㊟:適切な装着位置、チェーンの種類、道路管理者の規制条件などを満たす必要があります。

なお、この表は一般的な判断の目安です。積雪・凍結していない通常の道路でチェーンを装着し続けることは、路面やタイヤを傷める可能性があるため推奨しません。

㊟:「全てのタイヤ+チェーン」の「通常時と冬用タイヤ規制時」走行は、ルール上の走行可能表示です…道路状況(予防的規制で実際は乾燥路等)によっては、道路を傷めてしまう可能性があるため、道路管理者によって「走行不可」とされる場合があることもご承知おきください。

また、オールシーズンタイヤは3PMSF付きでも、降雪状況や道路管理者の判断によって通行できない場合があります。

重要なのは「どのタイヤを履いているか」だけでなく、「どの規制が実施されているか」を確認することです。

オールシーズンタイヤは冬用タイヤとして認められる?

近年、装着する方が増えているのが「オールシーズンタイヤ」です。

夏用タイヤと冬用タイヤの特徴を併せ持ち、年間を通して使用できる便利なタイヤですが、雪道での性能は商品によって異なります。

判断する際に重要なのが、タイヤ側面にあるマークです。

「M+S」と「3PMSF」の違い

① M+S(マッド&スノー)

泥(Mud)と雪(Snow)を意味する表示です。

ただし、M+S表示そのものには、3PMSFのような所定の雪上性能試験を満たすという意味はありません。

したがって、M+Sだけを見て、本格的な雪道に対応できると判断するのは危険です。

② 3PMSF(スリーピークマウンテン・スノーフレーク)

3つの山と雪の結晶を組み合わせたマークです。

所定の雪上性能基準を満たしたタイヤに表示されるもので、冬用タイヤとして判断する際の重要な目安になります。

ここで誤解してはいけないのが、M+Sと3PMSFの両方が必須というわけではないことです。

3PMSF表示があることが重要であり、M+S表示だけでは判断できません。

ただし、3PMSFが付いているからといって、スタッドレスタイヤと同じ氷上性能があるわけではありません。

JAFも、オールシーズンタイヤは凍結路でのグリップ力や制動力がスタッドレスタイヤに劣ると説明しています。

降雪が少ない地域では便利な選択肢ですが、頻繁に雪道や凍結路を走る方にはスタッドレスタイヤが適しています。

「スノータイヤ」と「スタッドレスタイヤ」は違う?

タイヤについて調べていると、「スノータイヤ」という名称を見かけることがあります。

現在、一般的にはスノータイヤとは雪道走行に対応したタイヤの総称として使われています。

その代表的なものがスタッドレスタイヤです。

一方、以前は現在のスタッドレスタイヤとは異なる雪道用タイヤも存在していました。

現在でも、トラック用などのタイヤに「SNOW」という表示が使われる場合があります。

つまり、スノータイヤという言葉が完全になくなったわけではありません。

また、冬用タイヤ規制では「STUDLESS」「SNOW」「スノーフレークマーク」などが判断材料になります。

ただし、表示だけでなく、タイヤの種類や装着状態、現地の規制条件も確認する必要があります。

ノーマルタイヤ+チェーンでも高速道路を走れる?

ここは意外と勘違いされやすい部分です。

ノーマルタイヤに適切なチェーンを装着していれば、冬用タイヤ規制やチェーン規制を通行できる場合があります。

NEXCOやJAFも、冬用タイヤ規制においてチェーン装着を滑り止め対策の一つとして案内しています。

ただし、これはノーマルタイヤで雪道を走ることを推奨しているわけではありません。

チェーンを装着していない車輪は雪道で滑りやすく、特にカーブや下り坂での安定性に注意が必要です。

また、雪のない路面と積雪路面が交互に現れる場合には、チェーンの着脱も必要になります。

したがって、降雪地帯を長距離移動するのであれば、最初からスタッドレスタイヤを装着しておく方が安心です。

チェーンはどのタイヤに装着する?

タイヤチェーンは、基本的に駆動輪へ装着します。

車の駆動方式 基本的な装着位置
FF(前輪駆動) 前輪
FR(後輪駆動) 後輪
4WD(四輪駆動) 車種ごとの指定位置

特に注意したいのが4WDです。

四輪すべてが駆動するからといって、必ず4輪にチェーンを装着するわけではありません。

車種によって前輪・後輪の指定が異なり、タイヤと車体の隙間などによって装着できるチェーンが限定されることもあります。

逆に、4輪装着が指定される車両もあります。

必ず自動車メーカーの取扱説明書を確認してください。

また、チェーンには金属製・非金属製・布製カバータイプなどがあります。

布製タイプも規制に対応できる製品がありますが、製品の仕様や現場での判断によって取り扱いが異なる場合があります。

なお、タイヤに吹き付けるスプレー式の滑り止め剤は、チェーン規制に対応する装備としては認められません。

雪道をノーマルタイヤで走ると違反になる?

実は、積雪・凍結道路を適切な滑り止め対策なしで走行することは、道路交通法に基づく遵守事項に違反する場合があります。

沖縄県を除く各都道府県では、道路交通法施行細則などで滑り止め措置が定められています。

一般的な反則金は次のとおりです。

車両区分 反則金
大型車 7,000円
普通車 6,000円
二輪車 6,000円
原付車 5,000円

この違反は、一般に違反点数が付かないものとして扱われています。

ただし、スタックしたこと自体が、直ちに滑り止め措置義務違反になるわけではありません。

問題になるのは、必要な滑り止め措置を講じずに走行した場合などです。

さらに、交通規制を無視した場合や、危険な運転によって事故を起こした場合には、別の法的責任が生じる可能性もあります。

特に事業用車両では、冬用タイヤの装着など安全確保の措置が不十分だった場合、運送事業者が行政処分の対象になることもあります。

地域独自の規制や標識にも注意

全国で共通する基本的なルールはありますが、冬道の規制がすべて同じ条件で運用されているわけではありません。

例えば、長野県などの山間部では、道路ごとに冬用タイヤやチェーンの装着を求める標識・案内が設置されている場合があります。

また、同じ「冬用タイヤ規制」という案内でも、道路管理者や地域によって具体的な装着条件が異なることがあります。

特にオールシーズンタイヤは、タイヤの性能や表示によって判断が分かれることがあるため注意が必要です。

規制が実施されている道路では、現地の標識や係員の指示に従いましょう。

スタッドレスタイヤでも過信は禁物

最後に、忘れてはいけないことがあります。

それは、冬用タイヤを装着していることと、安全に走行できることは別問題だということです。

スタッドレスタイヤでも、凍結路では簡単に滑ることがあります。

特に注意したいのは、次のような状況です。

  • 橋の上や日陰など、路面が凍結しやすい場所
  • 急な下り坂やカーブ
  • 雪が踏み固められた圧雪路
  • 表面が濡れているように見えるブラックアイスバーン

また、スタッドレスタイヤには冬用タイヤとしての使用限度を示す「プラットホーム」があり、摩耗して露出すると十分な雪道性能を期待できません。

使用年数によるゴムの硬化も性能低下の原因になります。

溝が残っていても、古くなったタイヤは点検が必要です。

まとめ/タイヤ規制は「装備」と「規制内容」で判断する

冬用タイヤ規制とチェーン規制は、似ているようで異なるものです。

覚えておきたいポイントは、次の3つです。

① 冬用タイヤ規制

スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤ、または適切なチェーン装着によって通行できる場合がある。

② チェーン規制

スタッドレスタイヤや4WDでもチェーン装着が必要。

③ オールシーズンタイヤ

3PMSFマークが重要な判断材料。ただし、スタッドレスタイヤと同等の氷上性能を保証するものではない。

そして、どのようなタイヤを装着していても、通行止めになれば走行できません。

冬の道路では、規制を通過できるかどうかだけでなく、事故を起こさず安全に目的地へ到着できるかが最も重要です。

私自身、雪道ではチェーンを装着していない車輪が滑りやすいことを経験しています。

だからこそ、冬用タイヤやチェーンを過信せず、道路状況に合った装備を準備することが大切だと考えています。

雪道での立ち往生は、自分だけでなく、多くのドライバーや周辺住民にも影響を及ぼします。

「規制を通過できるから大丈夫」ではなく、「安全に走れる準備ができているか」を判断基準にしたいですね。

※この記事は2026年10月時点で確認できる国土交通省・NEXCO・JAFなどの公開情報を参考に作成しています。実際の通行可否は道路管理者の規制内容や現地の指示を優先してください。