何も「お得」じゃない【リボ払い】とは?
一般的に、「リボルビング払い」を略して「リボ払い」と言います。
「クレジットカード(略名:クレカ)」の支払方法の利用者側の「支払方法」の1つです。
毎月の支払額を指定した金額(5,000円や10,000円等)に設定し、その金額と「金利手数料」を毎月支払うことになります。
カードの発行時や、任意の段階で設定や変更できますが、特に設定しなければ初期設定が「5,000円」になっている場合が多いです。
各クレジットカード会社が、近年ポイント還元やキャッシュバック等、手を変え、品を変え「お得」をアピールして利用してもらおうと、いろいろなキャンペーンをしています。
何故だかわかりますか?
単刀直入に言って、「クレジットカード会社」が「儲かるから」です。
「クレジットカード」をすべての人が「一括払い(1回払い)」のみで利用した場合、「クレジットカード会社」に儲けはありません。
ただただ、「便利」を提供しているだけです。
利用者の中に「分割払い」や「リボ払い」を利用してくれる人たちが一定数いるおかげで、「金利手数料」という「利益」が生まれ、「クレジットカード会社」はこれが一番の儲けになります。
「クレジットカード」利用時の支払方法は、主に3種類ある
クレジットカード利用時の支払方法
①一括払い(1回払い)
・毎月指定日に引落があり、本来この利用方法が基本であり、「クレジットカード」自体が「ツケ払い」と一緒なので、一括払いで支払えない限り、「クレジットカード」使う事は、私はお勧めしません。
この支払方法であれば、支払日に請求される金額も領収書(レシート)通りで、支払った以上に請求を受けることもないです。
②分割払い
・1回で支払うことが難しい場合、毎月支払いで2回や3回など、毎月の支払額を定額にし、支払いの金額負担が少なくなるように設定し、支払回数を増やします・・・その代わり支払回数が多ければ多いほど、金利手数料が増え、総額支払いも増えてしまうことになります。
例えば60,000円の買い物をして、「クレジットカード」一括払いで支払った場合、請求時の支払額は60,000円で変わりません。
それを6回の分割払い(金利手数料は15%)で購入した場合、以下のようになります。
8月に買い物をして、9月から請求開始と仮定した場合。
㊟金額が見づらい時は、スマホ画面を90°傾けて横長画面で見てください。
支払回数 | 元金返済 | 金利手数料 | 毎月支払額 | 支払後残高 |
1・(9月) | 9,692円 | 641円 | 10,333円 | 50,308円 |
2・(10月) | 9,813円 | 628円 | 10,441円 | 40,495円 |
3・(11月) | 9,935円 | 506円 | 10,441円 | 30,560円 |
4・(12月) | 10,060円 | 382円 | 10,442円 | 20,500円 |
5・(1月) | 10,185円 | 256円 | 10,441円 | 10,315円 |
6・(2月) | 10,315円 | 128円 | 10,443円 | 0円 |
支払総額 | 62,541円 |
単純に、支払額が増えているのが確認できますね。
利用金額より2,541円多く支払わなくてはいけません。
毎月の支払額は抑えられた分、支払総額が増えてしまうことになります。
③リボ払い
リボ払いは、「クレジットカード」契約時に、「リボ払い」の金額を設定し、その設定金額に応じて支払いをする方法です。
ここでは、リボ払い金額(毎月額)「10,000円」で設定(金利手数料は分割払いと同じく、15%)していたと仮定。
㊟金額が見づらい時は、スマホ画面を90°傾けて横長画面で見てください。
支払回数 | 元金返済 | 金利手数料 | 毎月支払額 | 支払後残高 |
1・(9月) | 10,000円 | 641円 | 10,641円 | 50,000円 |
2・(10月) | 10,000円 | 616円 | 10,616円 | 40,000円 |
3・(11月) | 10,000円 | 509円 | 10,509円 | 30,000円 |
4・(12月) | 10,000円 | 369円 | 10,369円 | 20,000円 |
5・(1月) | 10,000円 | 254円 | 10,254円 | 10,000円 |
6・(2月) | 10,000円 | 127円 | 10,127円 | 0円 |
支払総額 | 62,516円 |
「分割払い」と同じように、利用金額より2,516円多く支払く支払わなくてはなりません。
この段階では「分割払い」と比べて、そんなに「リボ払い」の注意すべきような内容は感じ取れないと思います。
「ボーナス払い」は「スキップ払い」
「クレジットカード」払いにはもう1つ、④「ボーナス払い」というものが存在し、場合によっては金利手数料もなく利用できる手段です。
「ボーナス払い」は「スキップ払い」と言えて、一括払いの先送りですが、高額な商品を購入した時などに使える場合があります。
「ボーナス払い」は自分の「クレジットカード」払いと言うよりは、利用するお店側の「クレジット契約」になりますので、主な利用方法とは別扱いとしています。
単純に、利用者の「ボーナス」支給後に合わせて申請し、請求月が来る(7月と12月など)と、1回払い又は2回払い(一般的にボーナス2回払いまでは、金利手数料無料が多い)で支払う方法。
これも、ボーナスで支払うことにより、月々の支出に影響が出ないため便利なような気もしますが、前もってボーナスの「利用先」が決まっているのも憂鬱なので、出来れば避けたい利用方法です。
「リボ払い」が「ナゼ?」厄介なのかを、説明します
例えば、11月に更に(追加で)、「クレジットカード」で50,000円の買い物をした場合。
①一括払い(1回払い)
前回60,000円の支払は、とっくに終了しています。
当然ですが、支払日に来る請求額は、50,000円です。
②分割払い
この場合、何パターンかの支払方法が想定できるのですが、ここでは、当初の6回払いで済ませてしまうつもりで3回払いで指定し、2月終わりになるようにします。
㊟金額が見づらい時は、スマホ画面を90°傾けて横長画面で見てください。
支払回数 | 元金返済 | 金利手数料 | 毎月支払額 | 支払後残高 |
4・(12月) | 27,380円 | 860円 | 26,520円 | 54,040円 |
5・(1月) | 27,526円 | 675円 | 26,851円 | 27,189円 |
6・(2月) | 27,528円 | 339円 | 27,189円 | 0円 |
支払総額 | 82,434円 |
毎月の支払額が20,000円を超えてしまいますが、支払能力があり、「支払総額」を抑えるなら、ここではこれで正解です。
③リボ払い
「リボ払い」は、申込時に設定された金額を支払い続けることが前提です。
ここでは、「10,000円」で仮定しているので、支払額(返済額)は固定(金利手数料除く)されています。
㊟金額が見づらい時は、スマホ画面を90°傾けて横長画面で見てください。
支払回数 | 元金返済 | 金利手数料 | 毎月支払額 | 支払後残高 |
4・(12月) | 10,000円 | 821円 | 10,821円 | 70,000円 |
5・(1月) | 10,000円 | 891円 | 10,891円 | 60,000円 |
6・(2月) | 10,000円 | 764円 | 10,764円 | 50,000円 |
7・(3月) | 10,000円 | 575円 | 10,575円 | 40,000円 |
8・(4月) | 10,000円 | 509円 | 10,509円 | 30,000円 |
9・(5月) | 10,000円 | 369円 | 10,369円 | 20,000円 |
10・(6月) | 10,000円 | 254円 | 10,254円 | 10,000円 |
11・(7月) | 10,000円 | 123円 | 10,123円 | 0円 |
支払総額 | 84,306円 |
11月終了時点での支払い残額は、80,000円なのですが、毎月10,000円ずつ返済するため、「金利手数料」が増え、結果的に「支払総額」が増えています。
「リボ払い」は、月々の支払いが少ないのは確かなのですが、「返済回数」は増えるし、「支払総額」は増えるし、良いことなんて1つもありません。
「月々の支払額は抑えられているではないか…」という意見を持った方!
その思考回路はとっても「危険」な状態です!!
「リボ払い」の利息加算ループ
リボ払いは一見「毎月のお支払額を抑えれてお得」な感じを醸し出していますが、毎月の支払額が一定な分、その後に「金利手数料」として本来(一括払い)であれば支払わなくていいお金が、どんどん加算されているのです。
当然ですが、「クレジットカード」の利用を続けるだけ支払残高も増えますし、それに伴って「金利手数料」も増加し続けます。
先ほどの表では、残高80,000円に対し4,306円の本来(一括払い)なら必要無かった金額が上乗せされて支払っているのです。
これを薄々気にしながらも、放置して「リボ払い」を利用し続けた結果、月々の「リボ払い」10,000円に対し「金利手数料」も含めると…
積み重なった結果、毎月11,000円(金利手数料10%)とか12,000円(金利手数料20%)とかの支払金額になってしまっている場合もあります。
これが「お得」を勘違いした、「リボ払い金利加算ループ」です。
抜け出すには、どこかでまとめ払い(繰り上げ払い)を行うくらいしか方法はないでしょう。
ショッピングに出かけ、「セールや値引きでお得に買えた…」なんて言っても、もし「クレジットカード」で「リボ払い」を選択していたら、「お得なことなんて何もない」のが実情なのです。
むしろその買い物で、損失(トータルで元値より多く支出)の方が増えている可能性だってあります。
近年増えた、「金利手数料〇〇が負担」
少し話は逸れますが、ネットショッピング等で、「分割払い」でも「金利手数料○○が負担」みたいな商品やお店もありますが、この場合はそもそもの価格に金利手数料分も含んでいます。
もしくは、「金利手数料」が本当になくても採算が合う商品(型古や在庫超過等)なのです。
因みに、ネットショッピング等で「分割払い」をする場合は、自分所有の「クレジットカード」」ではなく、先ほどの「④ボーナス払い」と一緒で、ショップ側が用意している「クレジット会社」に新たに契約させられているという事も忘れてはいけません。
まとめ
現在「リボ払い」も、いろいろな名称に変更してキャンペーンや勧誘を行い、利用促進を促そうとしています。
「〇〇リボ」や「~リボ」など、いろいろなネーミングが付けられていますが、名称の中に「リボ」が入っていれば、ほぼ間違いなく「リボルビング払い」の支払方法勧誘でしょう。
「お得」、「便利」などと謳っていますので、一見そのように勘違いしてしまいがちです。
実際のところ紹介自体は、違法なことでもやましいことでもないので、紹介する側に一切の責任もありません。
こちら側が気づいて、「落とし穴に落ちないように」しなくてはいけない事案なのです。
けれど、「そんなこと言ったら、欲しいものも変えないじゃないか!」と思った方もいるでしょう。
そもそも、「借金(分割・リボ払い)」してまで買わなくてはいけないものは、本当に必要なモノでしょうか?
欲や見栄の為なら、私の経験上「必要ない!」モノです。
急に壊れた家電(冷蔵庫や洗濯機等)では、致し方ない場合もあると思います。
そんな時でも「預・貯金」から支払いができるのが理想ですが、他の方法をどんなに検討しても見当たらず、どうしてもの時には「他にリボ払い(分割払い)は一切利用しない」など強い決意をもって「仕方なく」利用しましょう。
経済的に余裕がない限り、買い物に「見栄」は不要です!
「分割払い」や「リボ払い」で、あこがれの高性能商品を購入するなんて、「間違った」利用をするのは禁物!
必要最低限の機能を備えたモノを探して、購入しましょう。
「クレジットカード」利用時の注意点!
・「クレジットカード」の「分割払い」と「リボ払い」は、利用者側は全くもって、お得なシステムではない!
・「リボ払い」は、「クレジットカード会社」の儲けが増える購入のさせ方である!
・「クレジットカード」の利用方法は、一括払い(1回払い)が原則!
「クレジットカード」の「分割払い」・「リボ払い」は利用しないに越したことはないのです。
「手数料」と言う名の「ムダ払い」を、極力無くしましょう。